第76章 俺の気を引きたいだけだろ

鳴海絃星は腕の中の箱に視線を落とし、それから八幡誠言を見上げた。

「……これ、私に? 何なの」

「開けてみれば分かるだろ」

絃星は俯いたまま、箱を開けた。

中に収まっていたネックレスを目にした瞬間、息が止まる。

「……え。これ……そんな、どうして。あなた、もう若林詩羽にあげたんじゃ……?」

八幡誠言の口元が、すっと冷える。

「誰が俺が詩羽にやったって言った」

絃星の指が、ぴたりと止まった。言い返そうとした、そのとき。

誠言の視線が窓の外へ流れる。

「この前、お前のネックレスを壊しただろ。これは……その埋め合わせだ」

絃星は小さく笑った。

「若林詩羽が、納得するの?」

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