第83章 まだ離婚していない

鳴海絃星は勢いよく上体を起こすと、八幡誠言を思いきり突き飛ばした。

「八幡誠言!」

押された八幡誠言はわずかによろめき、ゆっくりと目を開ける。底の見えない瞳には、寝起き特有の気だるさがまだ残っていた。

「八幡誠言、恥ってもの知らないの? あんた……私が寝てる間に勝手に抱えて、自分のベッドに運んだわけ!?」

鳴海絃星は怒りがこみ上げて止まらない。

「若林詩羽じゃ満足できないなら、他を当たればいいでしょ! なんで私を巻き込んで気持ち悪いことするのよ!」

八幡誠言は彼女を一瞥し、口元だけで冷たく笑った。

「部屋の監視カメラ、再生してやろうか。どっちが俺のベッドに這い上がったのか。しか...

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