第84章 お前に俺を警告する資格がない

八幡誠言は白鳥縁一を、射抜くように見据えた。

視線がぶつかる。言葉のない火花だけが、じわりと空気を焦がしていく。

鳴海絃星は、八幡誠言の力がほんのわずか緩んだのを感じ取った。次の瞬間、足を上げ――彼の足の甲を、容赦なく踏み抜く。

「っ――!」

八幡誠言が痛みに息を呑み、腕の力がほどけた。

鳴海絃星はその隙に胸元からするりと抜け出し、川野梓の手を乱暴に引く。振り返りもせず、エレベーターへ駆け込んだ。

「学校まで送る」

走る速度は異様なほどだった。ほんの一秒でも遅れれば、また八幡誠言に引き戻される――そんなふうに見えた。

八幡誠言はエレベーター前に立ったまま、コートのポケットに手...

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