第86章 鳴海絃星に代償を払わせる

八幡誠言が現れても、鳴海絃星は手を緩めなかった。

誠言の後ろから入ってきた岩崎深也は、目の前の光景に言葉を失う。

――奥様、こんなに強いのか。

岩崎深は、社長の頭の傷を思い出した。まさか、あれも……?

「いつまで見てる。今すぐ全員、外へ出せ」

八幡誠言が岩崎深を睨み据える。瞳の奥は氷みたいに冷え、刃物のように鋭い。逆らえば、その場で処刑されかねない圧だった。

岩崎深は背筋を正し、すぐさま踵を返す。

ほどなくして、周囲の人間はすべて追い払われた。

八幡誠言は一歩踏み込み、鳴海絃星の手を掴むと低く言った。

「放せ」

鳴海絃星は彼を見返すだけで、指を開こうとしない。

次の瞬間...

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