第109章 美月ちゃんを探す

桜井昭子は諦めたように溜息をつき、答えた。

「わかったわ、約束する。でも、私はお姉ちゃんじゃないの。私達の関係は、あくまで名義上の夫婦よ」

桐山涼は鼻で笑い、片眉を上げて問い返す。

「それ以外に何がある?」

彼は指輪を取り出し、桜井昭子の目の前に突き出して、自分で嵌めるように促した。

昭子は不満げな顔をしながらも、渋々その指輪を指に通した。

嵌めた瞬間、まるで桐山涼に縛り付けられたような感覚が走る。正確に言えば、彼が縛りたいのは私自身ではなく、この心臓そのものだ。

嵌め終わると、桐山涼は冷ややかな一瞥くれただけで、そのまま立ち去った。

彼がいったい何者なのか、彼女には見当もつかない...

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