第153章 嫁ぐのは彼にではない

景斗は信じられないといった面持ちで、目の前の二人を見上げた。長く生きてきた自分が、まさかこんな若造に出し抜かれるとは!

契約書に記された買収金額を目にした瞬間、あまりの怒りに吐血しそうになる。

市場最安値で、桐山家を桐山霖に明け渡すことになるのか? これなら殺されたほうがまだマシだ。

司はそんな男の表情など歯牙にもかけず、契約書を淡々と回収し、冷ややかな視線を浴びせた。

「残りの手続きを済ませて、さっさと桐山家を掌握しろ」

行動は迅速だった。景斗に後悔する暇など与えない。

ユキは頷き、直ちに部下へ指示を飛ばした。

絶望に染まる景斗の目を見据え、司はさらに追い打ちをかける言葉を放つ...

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