第166章 何かおかしい

結城遥は、桜井昭子を脅威とは微塵も感じていないようで、むしろ余裕たっぷりに自己紹介を始めた。

「桜井さん、変に思わないでね。私と篠崎司は、大学院で一緒だったの」

昭子はその言葉で彼女がやってきたわけを察し、目の前の女性を見上げた。

遥は気品に溢れ、目鼻立ちは華やか。自信に満ちたその笑顔は、誰もが認める一級の美女そのものだ。

だが、彼女と篠崎司の間にどんな過去があろうと、自分と彼との関係はもう終わっている……。

遥はまだ言い足りないといった様子で、言葉を継いだ。

「大学で初めて彼を見た時から好きだったわ。でも彼は冷酷すぎて、全くとりつく島もなかった。……そういう意味では、あなたに感謝し...

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