第170章 一緒に

受付係が昭子と柳瀬に軽く会釈する。

「お二方、こちらへどうぞ」

二人が受付係を追って歩き出し、扉が閉ざされたその刹那――背後のエレベーターのドアが開いた。

彼は鋭い視線を周囲に走らせたが、あの見慣れた人影はどこにも見当たらない。先ほどの光景は、ただの幻覚だったのだろうか。

彼は入り口の警備員に詰め寄り、今しがた入ってきた人物について尋ねた。

だが、ここは唯一の出入り口。多くのスタッフが激しく行き交う中、警備員がいちいち通行人の顔を覚えているはずもなかった。

焦燥に駆られた彼は、答えを求めて監視室へと足を向けた。

応接室では、ジョンが昭子の来訪に興奮を隠せない様子だった。何しろ、あの...

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