第171章 私を助けて

姉が遺した図面を目にした時も、その才気に昭子は長らく衝撃を受けていた。だが、実際に姉が設計した建築物を目の当たりにすると、やはり感嘆の息を漏らさずにはいられなかった。

「君のお姉さんは、デザインに関しては間違いなく私が会った中で最も才能のある人物だった」

そう語る柳瀬の瞳の奥には、隠しきれない惜別の念が滲んでいた。

昭子が慰めの言葉をかける間もなく、彼は素早く気持ちを切り替え、彼女を連れて実地データの計測を始めた。

さすがに初めての経験ゆえ、彼女には理解の及ばない部分もあった。しかし彼の解説を聞き、過去に学んだ知識と照らし合わせることで、霧が晴れるように理解が深まっていくのを感じた。

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