第184章 私を呼んだか

彼が高額な報酬で雇い入れたデザイナーと、桜井昭子が描き上げた作品。その二つは、優劣がつけ難いほどの出来栄えだった。

彼の知る限り、桜井昭子はデザインを学び始めたばかりのはずだ。それにもかかわらず、これほどの作品を描き上げるとは――彼女の天性の才を証明するには十分すぎる。

才能があるのなら、それを隠しておくべきではない。自分に合った領域を見つけ、その天賦の才と強みを活かし、輝くべきだ。

「昭子、お前は自分のデザイン事務所を持つべきだ。身元の回復や会社設立の手続きについては心配しなくていい。俺が手配してやる」

その言葉に、図面を引いていた桜井昭子の手が止まる。彼女は静かに首を横に振った。

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