第20章 なぜシャットダウンするのか

桜井昭子も弁当箱を片付け、江口美月と別れの挨拶を交わすと、そのまま外へ出た。

続いて警備員の一団が駆け出してきて、慌てて二列に並ぶ。彼らは目の前の桜井昭子には全く気づかず、彼女を脇へと押しやった。

「篠崎社長、お疲れ様です」

彼女ははっとし、顔を上げると、ちょうど篠崎司が門から現れるところだった。後ろには白川あかりがぴったりと寄り添っており、その様子から二人の関係が非常に親密であることが窺える。

「桜井さん?」白川あかりはすぐに彼女に気づき、目の前まで歩み寄ってきた。

数人の警備員も慌てて道を開ける。彼女は白川あかりの精緻な化粧と高級ブランドの服を見つめ、それに対して自分の身にまとわ...

ログインして続きを読む