第208章 私のことを考えたことはあるか

「昭子、怖がるな」司は声を和らげて言った。

昭子の震えが収まるのを待ってから、彼は一転して氷のような声で命じた。「連れてこい」

その言葉を合図に隠し扉が開き、二人のボディガードが一人の男を引きずり出してきた。男の顔には、あの九条と同じ金色の仮面がつけられている。

昭子は呆然とし、信じられないといった表情でその光景を見つめる。そんな彼女に、司が説明を加えた。

「昨日、お前たちが九条蓮という男を探していると聞いてな。部下に調べさせたんだ。地下駐車場でお前に手を出したのがこいつだ。だから捕まえてきた」

その言葉に、昭子はようやく小さく頷いた。複雑な眼差しを司に向け、礼を言う。「ありがとうご...

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