第210章 彼女の本当の想い

司は今でも鮮明に覚えている。監視カメラの映像の中で、昭子は彼の歩幅には追いつけなかったものの、その場に立ち尽くすことはなかった。彼女は懸命に、彼の去った方向へと足を動かしていたのだ。

もしあの時、それに気づいていれば。すぐに彼女のもとへ駆けつけ、すべてを説明できていれば。昭子は、たった一人、ベンチで雨に打たれることも、あんな悲痛な涙を流すこともなかったはずだ。

モニター越しに見た、孤独で無力な昭子の姿。それは司にとって、命を削られるほどの激痛だった。

「昭子、信じてくれ。俺の人生にはお前しかいない。これからもずっとだ。お前を捨てるなんて考えたこともないし、裏切るような真似もしない。全部、...

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