第218章 君の名前を書く

女のために四百億円も貢がせる男がいたら、心が動かないわけがないだろう?

柳瀬は他人がどう思うかは知らないが、自分なら間違いなく落ちる自信があった。もっとも、残念なことに司の好みは彼のようなタイプではないのだが。

事情を聞いた昭子も、いくらか安堵したようだった。

彼女は一つ息を吸い込み、司を見て頷く。

「契約書に問題はありません。ただ、最近抱えている案件があまりに多くて……もし今すぐに設計図が必要だと言われても、すぐにはお渡しできません」

それを聞いても、司は気にするなと言わんばかりに軽く手を振った。口元を僅かに緩め、愛おしげな眼差しで昭子の一挙一動を見つめている。

「構わない。ゆっ...

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