第22章 変化はこんなに早い

その後、彼女は失意の底に沈み、東都へ戻ると篠崎司の条件を受け入れた。最初はただの意地だったが、次第に篠崎司に惹かれていった。

そして今、彼女は捨てられ、現在の姿に成り果てた。

まさか、遠山圭吾が東都に来るのを待つ日が来るとは思ってもみなかった。正確に言えば、遠山圭吾と呼ぶべきではない。桐山霖と呼ぶべきなのだ。

「昭子、どうしたの?」

江口美月が彼女の目の前で手をひらひらと振る。ようやく桜井昭子が我に返ったのを見て、思わず感嘆の息を漏らした。「さっきから一体何を考えてたの? すごく集中してたから、何度も呼んだのに」

「ううん、何でもない。昔のことを少し思い出してただけ」桜井昭子は手を振...

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