第230章セールスポイント

だが、昭子は彼の言葉をこれっぽっちも信じていなかった。あれからどれだけの時が流れたと思っているのか。これまで長い間、司のまわりには優秀な専属医がいくらでもいたはずだ。彼らが司の体調管理を怠るなどあり得ない話だ。

ましてや、単なる精神的な疲れだとしたら、これほどまでに顔色が悪くなるはずがない。

何か言いかけた彼女の言葉を遮るように司は体を離し、ソファーの背もたれに身を預けて目を閉じた。

「大丈夫だ。お前を抱いて少し休めば、すぐに良くなる」

昭子は眉をひそめた。やはり司の手を引いてでも病院へ連れて行きたい。医師の口から「問題ない」という確証を得るまでは、とても安心などできそうになかった。

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