第231章 心配するな、俺がいる

「あああ! 離せ、あっち行け!」

 柳瀬の表情は、もはや崩壊寸前だった。

 確かに彼は、甘い火遊びを夢見てはいた。だが、性別という根本的な設定が間違っている! 彼が求めていたのはパトロンになってくれる富豪の貴婦人! あるいは美女! 断じて、中性的なホストなんかではない!

 悲劇的なことに、柳瀬が叫べば叫ぶほど、彼らは逆に情熱を燃え上がらせていく。腰を抱く者、酒を勧める者、耳元で愛を囁く者。いかに絶望と無力感に苛まれているか、それは彼本人にしか理解できない地獄絵図だった。

 傍らにいた昭子は目を丸くし、その光景を食い入るように見つめていた。ホストと柳瀬という異色の組み合わせを目にするのは...

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