第245章 何を根拠に私と争うのか

司は、昭子がこのまま自分の元を去ってしまうのではないかという恐怖に駆られ、その声には焦燥の色が濃く滲んでいた。

「昭子、余計なことは考えるな。俺から離れるなよ? 絶対に俺が結婚してやる。約束しろ」

二人の間に、これ以上予期せぬ障害が入り込むことを、彼は何よりも恐れていたのだ。

昭子は司から伝わってくる強烈な不安を感じ取り、優しく彼を諭すように言葉を紡ぐ。

「安心してください。どこにも行きませんから。司さんも、考えすぎないで」

彼女の揺るぎない返答を聞き、司はようやく少しだけ安堵したようだった。それでも彼は念を押すように言いつける。

「昭子、こっちの片が付き次第、すぐに戻る。家で大人...

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