第268章 彼はまだ生きている

ユウちゃんの行動に、昭子の胸の奥に温かいものが込み上げた。苦痛に満ちた感情が、この一瞬だけは和らいだ気がした。

こんな無様な姿を子供に見せたくなくて、彼女は自ら手を伸ばしてユウちゃんの頭を撫でると、力を振り絞って床から立ち上がった。

「泣かないで」

ユウちゃんは昭子の手を握りしめ、彼女の手を引いて部屋の方へと歩き出した。

部屋に戻った途端、昭子の下腹部を激痛が襲った。覚えのある痛み。そして次の瞬間、股間から生温かい液体が流れ落ちていくのを感じた。

一瞬、昭子の瞳が驚愕に見開かれた。この間、彼女が口にしたのはハワードから渡された目の治療薬だけだ。

時折感じる吐き気も、その薬の副作用か...

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