第272章 しっかりと決着をつける

「もう、二度と離れないで」

 昭子は彼をきつく抱きしめた。瞳を閉じたその瞬間、堪えていた涙が頬を伝い落ちる。

「ああ」

 司は短く頷くと、彼女を力強く抱き締め返した。

 運転手はバックミラー越しに二人の様子を一瞥すると、心得たように車を路肩に停め、二人だけの時間を作ってくれた。

 車内に二人きりになると、司は彼女の顎を指で掬い上げ、唇を重ねた。腕の中の彼女の芳香を感じた瞬間、彷徨っていた彼の心は、ようやく帰るべき場所を見つけたのだ。

 数ヶ月分の思慕が爆発し、彼は昭子を狂おしいほどに押し倒し、貪るように求め続けた。

 昭子も口元を綻ばせ、自ら彼の腰に腕を回す。だが、その手が下腹部...

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