第275章 全ては誤解

以前は他人の噂話など気にも留めなかったけれど、今となっては認めざるを得ない。私の篠崎さんは、確かにその評判通りの、いやそれ以上のものを秘めていると。

そんな男が、心も体も、ただ私だけを見つめているのだ。

そう思うだけで、胸が幸福感で満たされていく。昭子は思わず口元を緩めると、司の唇にそっと口づけを落とした。

触れた瞬間、司がカッと目を見開いた。その視線は昭子の唇に釘付けになり、甘い声が紡がれる。

「どうした? 篠崎の奥様」

普段は冷ややかな瞳が、今は笑みを湛えて優しく彼女を見つめている。

昭子は首を振って、彼の胸に顔を埋めた。盗みキスが見つかってしまい、耳の先まで熱くなっているのが...

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