第288章 かつては彼女を愛していた

昭子が彼に連れられてバルコニーへ出たその瞬間、夜空に大輪の花火が咲き乱れた。

マンション全体を照らし出すその光景に、彼女は驚いて目を丸くし、隣で微笑んでいる司を振り返った。

「これ、全部私のために?」

「ああ、そうだ」

彼は頷き、昭子に空を見上げるよう促した。

彼女がその指差す先を目で追うと、無数のドローンが夜空で隊列を組み、次々と形を変えていく。やがて漆黒のキャンバスに浮かび上がったのは、『昭子 愛してる』という文字だった。

彼女は思わず、くすりと笑い声を漏らした。

「何がおかしい。気に入らないのか?」

司が眉を寄せる。

これらはすべて修斉が考案したプロポーズプランの中にあったもの...

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