第293章 ご愁傷様です

才能があるとは言えないかもしれないが、少なくとも彼女は多額の金を稼ぎ出していた。

美月はすぐに感傷的な気分を振り払い、昭子に向かってニッと笑いかけた。

「昭子、心配しないで。あんたの持参金のことなら、もう考えてあるから。あたしの店の株の一部を譲るし、これまで貯めたお金も、家だって……」

美月がそう口にするやいなや、昭子の目元がカッと熱くなった。かつて自分が美月に残したのは数百万円程度だった。それなのに、美月はその間もずっと助け続けてくれた上に、今や全財産を持参金として持たせようとしているのだ。

昭子はすぐに美月に抱きつき、首を横に振った。

「そんなの、美月ちゃんが血の滲むような思いを...

ログインして続きを読む