第308章 姉の元夫

昭子からの問いかけを耳にし、司はようやく全てが自分の早合点だったのだと悟った。自然と、口元が緩んでいく。

昭子がこのところ素っ気なかったのは、自分との結婚を拒んでいるからではない。単に、自身の振る舞いが彼を蔑ろにしているという事実に、彼女自身が気づいていなかっただけなのだ。

司は彼女の机に広げられた設計図に視線を落とし、声をかけた。

「ここ最近、ずっとこれにかかりきりだったのか」

昭子は彼が図面を見ていることに気づき、こくりと頷いてみせる。

「ええ、ずっと設計図を描いていましたけど……何か?」

そこでようやく、司は合点がいった。このところの昭子は、ただひたすらに多忙を極めていただけだっ...

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