第317章 なぜ私を騙したのか

ジョージはいまだに理解できずにいた。涼が杏との交際を承諾したのは単に自分への当てつけで、不愉快な思いをさせたかっただけなのだろうと高を括っていたのだ。そうでなければ、「愛している」の一言すら言えないなどということがあり得るだろうか。

だがその後、刑務所に収監された涼は毎日執拗に看守へ尋ねていたらしい。「桜井杏は面会に来ていないか」と。もっとも、その答えは常に「ノー」だったが。

その時の涼の表情はひどく寂しげで、ベッドに腰掛け窓外を見つめるその背中は、杏に会いたくてたまらない男の孤独を雄弁に物語っていたという。

そこでジョージは唐突に理解した。実のところ、涼はずっと以前から杏に惚れていたの...

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