第319章 ごめん、愛してる

周囲がふいに闇に包まれ、一台のモニターが光を放つ。画面の中に、桜井杏の姿が映し出された。その体は痩せ細り、かつては宝石のように輝いていた瞳も、今は光を失い澱んでいる。

愛する人の姿を認め、桐山涼の表情が呆然と強張る。彼はモニターの中の桜井杏を食い入るように見つめ、杏もまた、長い間レンズを見つめ返していた。

巨大なスクリーンが涼の意識を飲み込んでいく。まるで杏が生き返り、再び目の前に立っているかのような錯覚に囚われた。

彼が口を開くより先に、桜井杏が震える声で、堪えきれないようにその名を呼んだ。

「涼」

その声音に滲むのは、断ち切りがたい未練と、深い悲哀。再び耳にした杏の声に、涼の瞳か...

ログインして続きを読む