第351章 私に教えて

桜井昭子はしばらく棚をあさっていたが、ようやくコーヒーを淹れ終えると、それを森山七海の前に差し出した。向かい合う二人。その間には、なんとも言えない気まずい空気が漂っている。森山七海もまた、何を話すべきか言葉が見つからない様子だ。

昭子はポリポリと頭を掻いた。当初、篠崎司は彼女に二階で休むよう言いつけていた。だが、七海がまだ帰っていない以上、客を一人残して自分だけ休むというのは、さすがに気が引ける。

結局、二人は向かい合ったまま、気まずさを誤魔化すようにコーヒーを一口啜るしかなかった。

先に沈黙を破ったのは、七海の方だった。

「桜井さん、一つ聞きたいんだけど。一体どんな手を使って、司を惚...

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