第354章 彼らを放せ

桜井昭子は彼女をじっと見据えると、余計な口は挟まず、ただ純粋な疑問を口にした。

「森山さん、あなたは本当に森山タクのことが好きなんですか?」

その言葉に、森山七海の表情が一瞬強張る。なぜ今そんなことを聞くのか理解できないようだったが、桜井昭子はその動揺を見透かしたように言葉を継いだ。

「森山さん。もし本当に彼のことが好きなら、私の言いたいことが分かるはずです」

愛する人と数多の苦難を乗り越え、最後に結ばれること。それがどれほど得難い奇跡であるか。

もし森山七海が心から誰かを愛しているのなら、きっとその想いを理解できるはずだ。

篠崎司がカタギの人間ではないことは、桜井昭子も重々承知し...

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