第367章 写真の名前

今の彼女にとって、『死』という言葉は決して耳にしたくない禁句だった。篠崎司は彼女の潤んだ瞳を見て、すぐに自分の発言が不適切だったことを悟り、慌てて言葉を繕った。

「すまない、俺が悪かった。もう二度と言わないから、そんなに怒らないでくれ」

桜井昭子はフンと鼻を鳴らし、心配げな表情で彼を見つめた。その大きな瞳には、今にも零れ落ちそうなほどの涙が溜まっている。

「あなた、以前脳腫瘍を患っていたでしょう。しかも再発のリスクもある! どうしていつもそういうことを言って、私を怖がらせるのよ!」

篠崎司は虚を突かれたように固まった。当初、桜井昭子に病気のことを隠していたのは、余計な心配をかけたくなか...

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