第374章 彼女はお見合い中

女の子を連れてきた社長は、これで篠崎修斉との距離が縮まると踏んでいたようだ。だが、修斉は遊び好きとはいえ、誰とでも遊ぶわけではない。

修斉はソファに背を預け、ワインを一口含んだ。口数こそ少なかったが、その眉間には何かを耐え忍ぶような色が滲んでいる。

修斉が拒絶の言葉を口にしなかったのをいいことに、数人の美女たちが腰をくねらせて近寄ってきた。しかし、その手が修斉に触れようとした瞬間、彼の冷ややかな一瞥に射抜かれ、たじろぐように足を止めた。

「俺に触るな」

そう言い放つと、修斉の唇が弧を描いた。先ほどまでの不機嫌な表情とは打って変わった笑顔だ。だが、よく見れば、笑みを湛えた瞳の奥底に、凍て...

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