第381章 私と一局賭けよう

桜井昭子はチラリと篠崎司の顔色を窺った。どうやら彼は、桜井辰希が自分に近づくのを相当嫌がっているらしい。

だが、桜井辰希とは一度しか接触したことがないはずなのに、なぜか妙な懐かしさを覚えるのだ。まるで本当の姉と弟であるかのような、不思議な親近感があった。

しかし以前、篠崎司から桜井家と篠崎家には深い因縁があると聞かされていた。彼の妻となった以上、桜井辰希とは距離を置くべきなのだろう。

桜井辰希の視線が、桜井昭子の顔からゆっくりと下へ滑り、篠崎司の手元で止まる。彼女を強く抱き寄せるその手は、桜井昭子が彼にとってどれほど重要な存在であるかを雄弁に物語っていた。

それほど大事なのか。桜井辰希...

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