第420章 誰が性悪女か

篠崎修斉が口を開くと、ボックス席に陣取った御曹司たちは皆、くすりと笑みを漏らした。

そこに侮蔑の色は微塵もなかったが、江口美月はなぜか顔が火照るような、むず痒い苛立ちを覚えた。

踵を返すと、衆人の視線が自分と篠崎修斉の間を行き来しているのがわかる。そこには、面白半分に事の成り行きを見守るような気配が漂っていた。

江口美月は、この茶番劇が一刻も早く幕を下ろすことだけを願った。

目の前のボトルを雑に掴み上げると、彼らの元へと歩み寄り、衆人環視の中でグラスに酒を注ぐ。

「修斉様、どうぞ」

彼女は僅かに顎を上げ、グラスの中身を一息に煽った。

篠崎修斉の視線が、そのすらりとした首筋に吸い寄...

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