第422章 二兎を追って二兎を得る

「俺の旧友ってのは、業界じゃかなりの大物なんだ。彼の下でしばらく学べば、君の価値なんて数倍どころか、うなぎ上り間違いなしだよ!」

桜井昭子の躊躇いを察知した柳瀬楠人は、ここぞとばかりに畳みかけ、さらなる好条件を提示した。

確かに、この話にデメリットはない。百利あって一害なしだ。

しばしの思考の末、桜井昭子は柳瀬楠人の申し出を承諾した。

よい返事を得た柳瀬楠人の声は、明らかに弾んでいた。

「やった! すぐに彼へ返事をしておくよ!」

そして桜井昭子が何かを言う隙も与えず、一方的に通話を切ってしまう。

嵐のように過ぎ去った電話に、桜井昭子は苦笑しながら首を振るしかなかった。

その後は誰...

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