第431章 一難去ってまた一難

「加賀洋介」

男が女性秘書に問いかけようとしたその時、脇にあるエグゼクティブラウンジから声がかかった。

加賀洋介は声のした方へ視線をやる。

そこには、カジュアルなスーツに身を包み、ソファの肘掛けに寄りかかって口元に笑みを浮かべた男がいた。

「チッ」

その姿を認めると、加賀洋介は露骨に不快感を露わにした。

それでも、彼はそちらへ足を向けた。

「何の用だ」加賀洋介は須田鶴雄と世間話をする気など毛頭なく、単刀直入に切り出した。

須田鶴雄の最近は、決して順風満帆とは言えなかった。

常軌を逸した振る舞いが過ぎて兄によって実家に監禁され、その後すぐにアメリカへ送られたのだ。

そのため顔...

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