第46章 ピエロ一般

「この件、調べてくれ。真相が知りたい」桐山霖は後部座席に身を預け、視線を外した。

桜井昭子のことだけではない。彼女は自分が連れてきた人間だ。それなのに、あの連中はよくも手を出せたものだ。桐山家を完全に舐めている。

須田哲也はひどく不満げだった。「桐山社長、殴られたと言っても、彼女はもう無事じゃないですか。もし何か見つかったら、両家の関係が悪くなりますよ」

そう言いかけたが、桐山霖の視線に気づくと、途端に口をつぐんだ。

これで分かった。桐山霖はどうしても真相を突き止めなければ気が済まないのだ。

「桐山社長、一体、桜井昭子のためなんですか、それとも桐山家のためなんですか?」須田哲也は思わ...

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