第75章 無関心

「昭子」

桐山霖は目を真っ赤にし、彼女のベッドの傍らに半ば屈み込むようにして、恐る恐るその手を握ろうとしたが、桜井昭子に避けられてしまった。

本当は桐山霖をすぐにでも追い返したかったが、古川蘭がここにいる。何かを勘付かれてはまずい。

桜井昭子のその避けるような仕草は、まるで彼の心臓に刃物を突き立てたかのようで、五臓六腑まで引き攣るような痛みが走った。

彼の昭子が変わってしまった。以前の彼女は、自分が怒っても、彼が辛抱強く機嫌を取ってくれれば、どんなことでも許してくれると言っていたのに。

だが今、あれほど長い時間ドアの外で待ち続けても、彼の昭子は頑として許そうとしない。

古川蘭は二人の...

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