第10章

鈴崎潤にとって初めての誕生日だ。

本人の口からはろくな情報が引き出せなくても、手ぶらというわけにはいかない。

まして鈴崎母からは、前もってかなりの額を渡されている。

どこかで使う口実は、ちゃんと作っておきたかった。

何を贈るべきか決めきれず、宝生知優は野原リリに電話をかけた。

事情を聞いたリリは、開口一番しみじみと言う。

「さすが本物のお嬢様一家。お小遣いが7桁って、気前よすぎでしょ」

「これで少しはわたしの気持ち、わかった?」

「わかり始めた。でもさ、潤君に何を贈るかは考えたの?」

知優は肩をすくめた。

「まだ。だから相談してるんじゃない」

するとリリが、急に含み笑い...

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