第100章

華灯がともりはじめ、夜のネオンが次々と街を染めていく。

宝生知優は白のウエストシェイプ、背中の大きく開いたロングドレスに身を包み、マイバッハの後部座席に静かに腰を下ろしていた。長い裾がふわりと広がり、そのまま床へと流れ落ちる。

隣の男は端正な顔立ちで、仕立てのいい黒いスーツ。肩のラインは鋭く、纏う空気は冷ややかだ。窓の外を交差する光と影が、完璧な横顔を明滅させる。

黒と白。

対照的なのに、妙に釣り合って見えた。

運転手がルームミラー越しにそっと視線をやり、後部座席の二人を見て小さく感嘆する。

『若様は長いこと宴席にお出ましになりませんでしたからね。今回は若奥様もご一緒ですし……あ...

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