第111章

「知優」

鈴崎潤が、囁くように彼女の名を呼んだ。

宝生知優はびくりとして、はっと我に返る。

顔を上げた瞬間、視界いっぱいに飛び込んできたのは――ほとんど裸同然の、完成された体躯だった。

隠しようもない艶めいた肌。目のやり場に困るほどの『美しい景色』に、知優は反射的にごくりと唾を飲み込む。

その小さな仕草を、鈴崎潤が見逃すはずもない。

口元に、わかっていると言わんばかりの笑みが浮かんだ。

自分が何をしたかに気づき、知優は耳まで熱くなって視線を逸らす。心の中で、情けない、と自分を罵った。

こんな状況で、まだ色気に惑わされるなんて。

「寝る?」

潤は気だるげにベッドへ倒れ込み、...

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