第115章

彼女が店に入った瞬間、目に飛び込んできた男――それが、彼だった。

視線が絡む。男はゆっくりと口を開く。

『君たちの遊び、退屈だね。どうせなら、もっと面白いゲームをしない? 忘れられない夜にしてあげる』

宝生知優は唇をわずかに動かしただけで、何も言わなかった。

見知らぬ男と、わざわざゲームをする気分になれない。

けれど野原リリは真逆で、目を輝かせている。

目の前の男は顔立ちがいいだけじゃない。話し方も所作も、いちいち「只者じゃない」と主張してくる。

それに直感が告げていた。――この男、狙いは知優だ。

なら、どんな手を使ってくるのか見てみたい。

『いいよ』

野原リリが先に返事...

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