第123章

鈴崎潤は瞳の奥を深く沈め、声を低く落とした。

「余計なことを考えるな。お前のものじゃない。触るな」

それは警告だった。背筋が凍るほどの威圧。

「じゃあ、俺がどうしても触りたいって言ったら?」

遠坂幸康は口元に挑発的な笑みを浮かべ、鈴崎潤の一線を執拗に探る。

鈴崎潤は一度だけ、深く彼を見た。指先がふいに強く握り込まれる。怒りを押し殺しているのがわかる。

その背後で、宝生知優はごくりと唾を飲み込んだ。

遠坂幸康のために、思わず冷や汗が出る。

こんなに死を怖れない人間、初めて見た。

「手荒にしても、恨むな」

鈴崎潤の言葉は刃のように鋭い。

「まあまあ。こうしよう。取引だ」

...

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