第13章

林原裕樹は怒りで奥歯が軋むほどだったが、目の前の男の身分が身分だ。さすがに面と向かっては爆発できない。

だから、その憎悪の矛先だけを宝生知優へ向けた。

「恥ずかしくねえのかよ」

宝生知優の嘲るような口調に、林原裕樹の腹に溜まっていた火はとうとう噴き出した。

さっき殴られた右頬が、じくじくと痛む。家で大事にされてきた『若様』が、こんな扱いを受けたことなど一度もない。

宝生ミクルの視線による制止も目に入らず、胸の内をそのまま吐き捨てた。

「宝生知優! このクソ女! 金持ちに擦り寄ったら、もう俺のことは眼中なしってか。てめえ、自分がどんだけの器か分かってんのか? 生んだ親はいても育てる...

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