第130章

冷たいものが、四肢の隅々まで染み込んでくる。

宝生知優は足元がふらつき、よろめきながら一歩、二歩と退いて、ようやく倒れずに踏みとどまった。

もう心は凪いでいるはずだった。――それでも、この言葉を聞いた瞬間、胸の奥がひやりと冷える。

彼女を凍えさせたのは、渡島仁美の悪意そのものじゃない。

宝生隆教の、情けないほどの弱さだった。

実の父親が口にする言葉とは思えない。娘を守る気配は欠片もなく、あるのは継母への盲目的な追従だけ。

病室の中で、渡島仁美はなおも止まらない。

『全部あんたのせいよ。あの時もっと手際よくやってれば、今ごろ会社はとっくに私たちのものだったのに。宝生知優っていうク...

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