第26章

「食卓を立つ前の、あの一言のこと?」

「言葉どおりの意味よ」

「じゃあ、お前は俺が外で男を作っても気にしないって言いたいんだな?」

だったら、なんでそんなに怒るの。飯だって食べないくせに。

鈴崎潤はその言葉に手が止まった。舌先で奥歯を押し、冷たく嘲る。

「俺の発言にそこまで食いつくとか。男が足りないのか?」

「……あんたみたいなのが、ね」

宝生知優が小声でぼそりと返す。

鈴崎潤は目を細め、含みのある声音で釘を刺した。

「誰と一緒にいようが勝手にしろ。だが、結婚してる間にそいつの子を腹に入れたら――処理しろ。できないなら、俺が自分で始末する」

宝生知優は、彼が林原裕樹のこと...

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