第31章

「それぞれ、自分の担当は把握できた?」

オフィスで、宝生知優はこの期間の業務割り振りを淡々と告げていた。

会議が終盤に差しかかった、そのとき。

アシスタントの田村青美が、ばたんっと勢いよく会議室の扉を押し開けた。

青ざめた顔で宝生知優を見据え、肩で息をしながら言う。

「知優さん、急ぎの用件です」

「言って」

「リゾート案件、取られました」

その一言で、場がざわっと沸いた。

利益の大きいリゾート計画。皆で歯を食いしばって積み上げてきたのに、ようやく形になるというところで、他人に成果だけかっさらわれる――そんな話だ。

宝生知優は深く息を吸い、喉の奥から冷たい声を落とした。

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