第33章

彼女は不器用に彼を慰めた。どうすれば鈴崎潤の胸の重しが少しでも軽くなるのか、宝生知優にはわからない。

ただ、未来の医療に望みを預けるしかなかった。

そうして二人が言葉を交わしていると、医師が長い注射針を手に近づいてきた。金属の先がひやりと光る。

「鈴崎さん」

医師はうやうやしく呼びかける。

鈴崎潤が目で合図すると、医師はゆっくりと針を彼の腕へ進めた。

部屋はしんと静まり返り、針が皮膚を破って肉に沈む「ぷつ」という音まで聞こえそうだった。鮮紅の血が細いチューブをうねるように走り、白い透明の袋の中へ赤い線となって吸い込まれていく。

知優は注射が苦手だ。病気をしても、薬で済むなら絶対...

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