第34章

写真のど真ん中に、淡いピンクのダイヤが――まるでこれ見よがしに鎮座していた。

石の中央には、うっすらと英字の刻印。

訳せば、林原裕樹と宝生ミクルの名だ。

宝生知優は頭の中で、その指輪のブランドを探る。

たしか――。

このブランドの売り文句は、「男が一生に一度だけ、たった一つだけオーダーできる指輪」。

唯一無二だからこそ、『いちばん愛する人』にしか贈れない。特別な意味がある、という触れ込みだ。

噱頭だとわかっていても、美人の笑顔が買えるなら、と群がる男はいくらでもいる。

左上に「入力中」の表示がちらついた。

宝生ミクルは、してやったりの笑みを浮かべ、指をせわしなく動かす。

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