第51章

宝生知優はのんびりとバーカウンターへ向かった。酒棚には、半分ほど減ったウイスキーが一本。隣に、使われた形跡のあるグラスが置かれている。

――鈴崎潤が飲んだやつだ。

ここ数日、潤が酒を口にしているところなんて見ていない。

いつ飲んだんだろう。

彼女はボトルを手に取り、そのままリビングへ出る。鈴崎潤の目の前まで行くと、軽く揺らしてみせた。

「鈴崎潤。病気なのに、お酒飲むの?」

鈴崎潤は視線を上げるなり、それが自分の睡眠用の酒だと即座に見抜いて、低く返した。

「俺に口出しする気か」

「ダメ?」宝生知優は一歩も引かずに目を合わせる。

「おばさんに『潤の面倒を見て』って頼まれたし。そ...

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