第12章

父の寝室を出るとき、私は意図的に携帯電話を父の布団の上、特に下半身の近くに置いた。海子が携帯電話を見つける際、必然的に父親の露出した陰茎も目にするはずだ。わざと携帯をナイトテーブルには置かなかった。もし部屋に入るなり海子が携帯を見つけてしまえば、父の露出した下半身に気づかずに、そのまま携帯を持って出てしまう可能性がある。それでは私の苦心の策が無駄になってしまう。

海子はもう父の寝室に入った。この瞬間、私の心臓は極限まで緊張していた。自分の出す音に細心の注意を払いながら、静かに耳を澄ませて向こうの様子を伺った。海子が私を寝室まで連れてきた後、部屋のドアを閉めてしまったため、父の寝室からの音は...

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