第179章

父の家をもう一度だけ振り返る。ここで引き返すべきなのだと、頭では分かっていた。これ以上見ていたって、中で起きているのは父と海子のセックス、絶頂、膣内射精、受精――その繰り返しだけだ。そんな光景に、これ以上耐えられる自信なんて、あるわけがない。これ以上見てしまえば、二人が何回セックスしたのか、今夜の父がどれほどの精力絶倫ぶりを見せているのか、それを確認するだけになる。

そんなことを考えながら、父が勤務している発電所の正門へ向かって歩き出す。歩きながらも、ずっと頭の中では葛藤が渦巻いていた。門の取っ手に手をかけたその瞬間になっても、やはり踏ん切りがつかない。思わず下唇を噛みしめてしまうのは、き...

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